コーヌスクローネ義歯
コーヌスクローネは、入れ歯の維持装置としてバネを使わないで、2重構造(内冠と外冠)でできた冠を使ったはめ込み式の装置を使った入れ歯です。
内冠を自分の歯にかぶせて、それにぴったり適合する外冠をつくります。この内冠と外冠の摩擦力を利用して維持させ入れ歯を外れないようにするのです。この理解はお茶の葉っぱをいれる茶筒をイメージするとわかりやすいです。茶筒は振っても外れませんが、ふたにゆっくりとした力を加えると外れます。コーヌスクローネデンチャーもこの原理を使っています。入れ歯に小さな茶筒が組み込まれていると思ってください。歯に内冠、入れ歯に外冠があり、その茶筒の摩擦力で外れないのです。
特徴としては、次のような点があげられます。
- バネがないために、見た目がきれいである
- バネで止めるよりもしっかりと固定され、入れ歯の動きが少ない
- 入れ歯を小さくすることが出来る
- 残っている歯にかかる負担が小さい
という利点がありますが、欠点としては次のようなことがあげられます。
- しっかりとした歯が残っていないといけない
- しかも歯に内冠をかぶせるため、大きく削る必要がある
- 内冠、外冠をつくるには、精度の高い技術が必要である
- 内観を入れている歯がむし歯になりやすい
- いったん摩擦力が弱まると修理が困難である
1980年代に流行した入れ歯で、現状としてはこの入れ歯の利点をすべて含んでいるインプラント治療の確立、普及によって、この入れ歯が使われることは少なくなっています。しかしインプラントのような手術の必要がないというメリットがあるため、少なくなっているものの患者さんからのご要望はあります。