アタッチメント義歯
アタッチメント義歯というのは、具体的にどのような入れ歯である、というものではありません。残っている歯に維持装置を組み込み、見た目を良くしたり、外れにくくしたりします。その維持装置が時にはボタンであったり、蝶番であったりと、アタッチメントの種類はさまざまです。
これらの装置全般にいえる事は、最初のうちはいいのですが、いったんトラブルが出るとどうしようもない、修理に時間がかかる、対処できないということです。装置には色々な工夫、仕掛けが精巧に作り込まれています。その技術自体は素晴らしいのですが、なにしろ歯の大きさぐらいの非常に小さなものです。それに何十キロというかむ力が毎日毎日加わりますので、耐久性には疑問がもたれます。もし壊れたとしてもすぐ修理が出来ればいいのですが、精巧すぎてすぐには修理が無理なのです。装置を取り替えたり、修理に何日もかかったりと、その間入れ歯をお預かりしなければなりません。当然その間は入れ歯なしで過ごしていただかないとなりません。修理で済めばまだいいのですが、最悪最初から作り直しということもありえます。
このようなアタッチメントは新しいものが出てきては消え、出てきては消えの繰り返しです。患者さんに長く入れ歯を使ってもらうのならば、私たち歯科医師がただ単に新しい装置だからといって患者さんにお勧めするのではなく、本当にいい装置なのか、本当に満足していただける装置なのか、見極めないといけません。