インプラント
インプラントとは、歯を失った部分に歯の役割をしてくれる人工の歯を植え込む治療です。
歯を失ってしまった場合、これまでの歯科治療では、主に取り外しができる入れ歯が一般的でした。しかし異物感が大きかったり、がたついて痛くて食べられなかったりと悩みの原因も多くありました。そのような欠点をなくすことができるのがインプラント治療です。
もう少しわかりやすくいうと、歯がなくなった場所のあごの骨に、金属の柱を埋め込んで(現在ではチタン製のネジが多く使われています)、その柱の上に歯の形をしたかぶせ物をつくって、かみ合わせを回復させる治療です。
インプラントの最大の特徴は、入れ歯のような違和感やがたつき、外れてしまう心配がほとんどなく、本来の自分の歯に近いかみ心地や見た目を取り戻すことができることです。また周囲の歯を削ったり、負担をかけたりする必要がないため、失った歯を取り戻すには最高の治療といえます。
術式ですが、まずあごの骨に直径3~5mm程度の穴をあけます。その穴にインプラントの土台部分の柱を埋め込みます。それが骨とくっついたら柱を立てて、かぶせ物をつけて完了です。骨に穴をあけて痛くないのかと思われるかもしれませんが、麻酔がきいたら普通の歯科治療と同じです。ただし土台はしっかりとしたあごの骨の中に入れないといけないので、場合によっては骨を再生していく治療が必要な場合もあり、手術前にしっかりとした診査、診断をすることが安全に治療をおこなうために欠かせません。
インプラント治療は、歯を1本失った場合はもちろんのこと、すべて失ってしまってもインプラント治療はできます。また入れ歯とインプラントを組み合わせることで、インプラントの本数を少なくして手術の負担を少なくすることも可能です。
インプラント治療の長所は次のような点です。
- 自分の歯のようにしっかりと固いものもかむことができる、食事が楽しくなる
- 違和感がない
- 入れ歯のように取り外す必要がない
- 見た目が自分の歯のようである
- 治療に際し、歯をけずる必要がなく、他の歯に負担をかけなくてすむ
- 発音がよくなる
欠点は以下のようなことがあげられます。
- 治療前にしっかりと診査・診断をしないと失敗してしまう。
CTにより骨状態を診査・診断しておかないと、神経に触れて知覚異常や麻痺を引き起こす可能性があります。 - 全身疾患がある場合や飲んでいる薬によっては治療できない場合がある。
骨粗鬆症の薬を処方されていたり、糖尿病、高血圧、狭心症、免疫系異常の持病を持たれている方は注意が必要です。 - 治療期間がやや長くなる。
- 毎日の歯磨き、清掃管理をおこたるとインプラントの周りが腫れて感染してしまう。
- 治療費が非常に高額になる。※1本35万円(税別)
現在の治療においてインプラントは失った歯にかわる最良の治療であり、あなたにきっと満足していただけることでしょう。