チタン義歯
テレビなどでチタンという言葉をよく耳にします。チタンフレームのメガネ、チタンのゴルフクラブ、チタンを使った乗り物などありますが、実際にはどのような金属かご存知でしょうか? この金属には、他の金属にはない優れた特徴をもっています。それは軽さと生態親和性です。
まず軽さですが、入れ歯に使われる金属の中では一番の軽さを誇り、金合金の約4分の1の軽さです。軽いということはそれだけお口に入れている違和感が少ないということなので、重い入れ歯からあなたを解放してくれます。
生態親和性とは、人間の身体との馴染みやすさのことです。人間の身体というものは、体内に異物が入ると外に出そう出そうとします。例えば転んで怪我をし、砂や小石が傷口に入ってしまっても、しばらくすると身体が反応して体の外に排出してくれます。しかしチタンは身体との馴染みがいいのでそのようなことがありません。腐敗しにくい素材のため人体に影響を及ぼすこともほとんどないのです。つまりアレルギー反応の心配がないのです。
以前より歯科分野でもチタン素材の利用に注目していました。ただ一昔前まではチタンをうまく加工できないという技術的な問題があり、なかなか治療に取り入れることができませんでした。しかし技術革新やチタン合金の開発により、技術的な問題も解決して、患者さん一人一人のお口にぴったりの入れ歯をつくることができるようになったのです。
チタン素材の入れ歯は、先ほどの金属床義歯の長所と特徴を持ちながら、さらに軽さと生態親和性が加わった非常に優れた入れ歯といえます。軽いだけでなく、歯ぐきとの適合性や吸着性にも優れているため、入れ歯への抵抗感をかなり減らすことができます。ただ修理がやや難しくなるという欠点も持っています。