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入れ歯最前線

入れ歯最前線 入れ歯の種類

最新の入れ歯紹介

最新の入れ歯紹介

ここではあなたに最新の入れ歯を紹介していきます。色々な種類があり、どれが一番よいのか決めることはできません。それぞれに特徴があり、あなたのお口の状態によって、向き不向きがあるからです。ある人にとっては非常によくても、あなたにその入れ歯をいれるととんでもないことになるかもしれません。

最新の入れ歯の長所だけでなく短所もふまえて、どのような患者さんに適しているのか説明していきます。どれも魅力的に入れ歯ですが、あなたにとってどの入れ歯が一番理想的なのかは歯医者さんにおたずねください。

なお、デンチャー、義歯という言葉がでますが、それは入れ歯のことです。

ロケーター

特許技術の最新の入れ歯、ついに日本上陸!本当に「はずれにくい」、大げさでなく「なんでもかめる」入れ歯装置です。
おそらく関西では、さとう歯科、当院のみのお取り扱いです。

とにかく丈夫で外れにくく取り外しが簡単で、単純な構造なので清潔に保つことも容易です。
最新の入れ歯「LOCATOR(ロケーター)」について、もっと詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。

金属床義歯

入れ歯の内側(上あご部分あるいは舌で触れる部分)をプラスチックの代わりに金属で作った入れ歯です。いわゆる一般的によく言われる自費の入れ歯です。

一番の特徴は、金属を使うことによって薄くできることでしょう。保険の入れ歯だとプラスチックの材料で出来ているのですが、割れないように強度を持たせるために分厚くなってしまいます。その点、金属であると薄くしても丈夫なので全く問題ありません。どのような入れ歯にも用いることができ、非常に薄く、ぴったりしているので、お口の中が広く感じることでしょう。しゃべりやすい、食べやすいというように、会話や食事の邪魔になりにくく、お口の中が楽に感じます。特に上あごの部分が気になり、吐き気をもよおし易い方にはお勧めです。

金属は熱を伝えます。これは食事の時に感じられることですが、熱の伝わりがよいため、熱い、冷たい感覚が自然に近く、食事をおいしく味わうことができます。入れ歯にしてから食事がおいしくなくなったという患者さんがいらっしゃいますが、これは温度を感じなくなったためであることがよくあります。金属の入れ歯なら温度感覚を取り戻すことができ、食事を楽しめます。また汚れが付きにくく衛生的で清潔、割れにくく、変形もしにくいです。

短所としては、修理がやや難しいことですが、それは金属部分にトラブルが出た場合であり、金属は丈夫なためめったに問題はおこりません。他の入れ歯に比べたら修理もしやすいといえるでしょう。金属床義歯には、コバルトクロム合金という金属がよく使われます。滅多にありませんがこの金属でアレルギーを引き起こすことがたまにあります。

金属を使っているため当然重さもあります。長年使われて、修理をくり返していくとその分重くなってしまいます。特に上あごの場合ですが、入れ歯の吸着力が重力に負けて、落ちたり外れたりしやすくなることがあります。

金属床義歯はどのような患者さんのお口にも合いやすい入れ歯といえます。単に金属を使ったピカピカの入れ歯とならないように、定期的に歯医者さんに調整をしてもらい、長く使っていただきたいものです。

チタン義歯

テレビなどでチタンという言葉をよく耳にします。チタンフレームのメガネ、チタンのゴルフクラブ、チタンを使った乗り物などありますが、実際にはどのような金属かご存知でしょうか? この金属には、他の金属にはない優れた特徴をもっています。それは軽さと生態親和性です。

まず軽さですが、入れ歯に使われる金属の中では一番の軽さを誇り、金合金の約4分の1の軽さです。軽いということはそれだけお口に入れている違和感が少ないということなので、重い入れ歯からあなたを解放してくれます。

生態親和性とは、人間の身体との馴染みやすさのことです。人間の身体というものは、体内に異物が入ると外に出そう出そうとします。例えば転んで怪我をし、砂や小石が傷口に入ってしまっても、しばらくすると身体が反応して体の外に排出してくれます。しかしチタンは身体との馴染みがいいのでそのようなことがありません。腐敗しにくい素材のため人体に影響を及ぼすこともほとんどないのです。つまりアレルギー反応の心配がないのです。

以前より歯科分野でもチタン素材の利用に注目していました。ただ一昔前まではチタンをうまく加工できないという技術的な問題があり、なかなか治療に取り入れることができませんでした。しかし技術革新やチタン合金の開発により、技術的な問題も解決して、患者さん一人一人のお口にぴったりの入れ歯をつくることができるようになったのです。

チタン素材の入れ歯は、先ほどの金属床義歯の長所と特徴を持ちながら、さらに軽さと生態親和性が加わった非常に優れた入れ歯といえます。軽いだけでなく、歯ぐきとの適合性や吸着性にも優れているため、入れ歯への抵抗感をかなり減らすことができます。ただ修理がやや難しくなるという欠点も持っています。

ノンクラスプデンチャー

ノンクラスプのノンは「無い」、クラスプとは「バネ」の意味、つまりノンクラスプデンチャーはバネのない入れ歯です。

今までの部分入れ歯には必ず金属のバネがついていたので、口元を非常に気にされる方がたくさんいらっしゃいました。たしかに笑った時に入れ歯のバネが見えるのはあまりきれいとはいえません。そこでバネの代わりに、歯ぐきの色に似た樹脂を使って外れないようにしたのが、このノンクラスプデンチャーなのです。気になる金属のバネがないので、非常にきれいな口元になり、入れ歯と気付かれないほど自然で、目立たない部分入れ歯です。

部分入れ歯の悩みを大幅に改善できる入れ歯で、特徴として次のようなことがあげられます。

  • 入れ歯についているバネがなく自然な色なので、美しい口元になる
  • 素材が軽くて薄くすることが出来るので、着けた感じ、装着感がよい
  • 変形、アレルギーの心配がない
  • 弾力性があり、しなるので、丈夫で割れる心配がない

たしかに今までの部分入れ歯の悩みを大幅に改善してくれる入れ歯なのですが、欠点がないわけではありません。なにしろ新しい素材の樹脂のために、修理がすぐにできません。ちょっとした修理であれば普通の入れ歯ならすぐにできるのですが、おあずかりしなければ修理できません。またバネがいったん緩んで外れやすくなるとどうしようもなくなります。これは非常に困ったことです。この他、数年すると変色あるいは脱色していきます。

このように見た目は非常によい入れ歯なのですが、長年実用的に使用するというよりか、どちらかというと「お出かけ用入れ歯」といった方がいいかもしれません。

ソフトデンチャー

ソフトという名前のとおり柔らかい入れ歯です。とっても全部が柔らかいわけではなく、歯ぐきに接触する入れ歯の裏面のみを特殊加工をして柔らかくしています。生体用シリコンという弾力性のあるクッション材を使用しています。

柔らかいとどのような良いことがあるのでしょう。まず歯ぐきに加わる負担を軽減することができます。クッションのおかげである部分にかむ力が強くかかっても、その力が分散されてあまり痛みがありません。ですから今まで硬いものをかむと歯ぐきが痛かったので、躊躇されていた方もしっかりかむことができるので、食欲もよみがえります。

また柔らかいため歯ぐきとぴったりと隙間なくくっつくことになり、吸盤のような吸着力が生じます。その吸着性によっていままで入れ歯が浮き上がり、外れやすかった患者さんにも喜ばれています。

このようにソフトデンチャーの一番の特徴は柔らかいクッション素材で痛みが少なく、吸着性があること。そして痛くないのでしっかりかめるということです。ただし汚れやすい、材質が柔らかいため劣化しやすく耐久性に問題があるため、数年に一度クッション材の裏打ちを張り替える必要があります。

コーヌスクローネ義歯

コーヌスクローネは、入れ歯の維持装置としてバネを使わないで、2重構造(内冠と外冠)でできた冠を使ったはめ込み式の装置を使った入れ歯です。

内冠を自分の歯にかぶせて、それにぴったり適合する外冠をつくります。この内冠と外冠の摩擦力を利用して維持させ入れ歯を外れないようにするのです。この理解はお茶の葉っぱをいれる茶筒をイメージするとわかりやすいです。茶筒は振っても外れませんが、ふたにゆっくりとした力を加えると外れます。コーヌスクローネデンチャーもこの原理を使っています。入れ歯に小さな茶筒が組み込まれていると思ってください。歯に内冠、入れ歯に外冠があり、その茶筒の摩擦力で外れないのです。

特徴としては、次のような点があげられます。

  • バネがないために、見た目がきれいである
  • バネで止めるよりもしっかりと固定され、入れ歯の動きが少ない
  • 入れ歯を小さくすることが出来る
  • 残っている歯にかかる負担が小さい

という利点がありますが、欠点としては次のようなことがあげられます。

  • しっかりとした歯が残っていないといけない
  • しかも歯に内冠をかぶせるため、大きく削る必要がある
  • 内冠、外冠をつくるには、精度の高い技術が必要である
  • 内観を入れている歯がむし歯になりやすい
  • いったん摩擦力が弱まると修理が困難である

1980年代に流行した入れ歯で、現状としてはこの入れ歯の利点をすべて含んでいるインプラント治療の確立、普及によって、この入れ歯が使われることは少なくなっています。しかしインプラントのような手術の必要がないというメリットがあるため、少なくなっているものの患者さんからのご要望はあります。

無口蓋義歯

無口蓋の入れ歯だと上あごを覆っていないため、非常に違和感が少なくなり、口の中が軽くなります。また食べ物の温かさ、冷たさを感じ取れるため、食事の感触を感じ取れます。当然発音も楽になります。

上の入れ歯は、通常ですと入れ歯が落ちないように上あご(口蓋)を広く大きく覆っています。その覆いのせいで違和感を引き起こし、患者さんによっては吐き気がするためにどうしても受け入れられないこともありました。

ただこれは作るのが非常に難しい入れ歯です。というのも患者さんのあごの状態、あごの形に頼るところが大きいのです。具体的には凹凸があるしっかりとした歯ぐきというのが条件ですが、なかなかそのような良い状態の歯ぐきの方はいらっしゃいません。口にいれてみるとひっついても、食べ物をかんだ瞬間すぐ外れるということも多々あります。それでも入れ歯の大きさが小さく、違和感が少ないというのは非常に魅力的です。

マグネット義歯

マグネットの磁力によって外れないよう安定させることを成功させたのが、この入れ歯です。残っている歯に金属、入れ歯に磁石を埋め込み、その磁力によってぴたっと吸着させて入れ歯が外れないようにします。

そして維持装置としてバネが必要なくなるので、見た目もすっきりして、入れ歯とわからないようにすることも可能です。小さなマグネットですが、磁力は強力ですから、そう簡単に外れることはありません。

従来の入れ歯と同じような感じで使えるのでお手入れも比較的簡単に出来ます。マグネットを口に入れて大丈夫かと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、錆びることもないのでご安心ください。マグネットの磁力は弱くなることはありませんし、患者さんのご要望に合わせて、入れ歯を固定する磁力を調節することができます。

残っている自分の歯にもかかる負担は少ないので、歯は長持ちしますし、やさしい入れ歯といえるでしょう。ただしマグネットを埋め込むための自分の歯が当然必要となります。それなりによい状態の歯でないとマグネットを利用することは出来ないわけで、マグネット義歯のぴったり当てはまるようなお口に出会うことはなかなかありません。

また磁石の特徴として、離しあうような引っ張る力には強いのですが、横方向の力には抵抗力が弱く、そのような力が働くと磁石はすぐはなれてしまいます。マグネット義歯も同じで、かみ具合によって横方向の強い力がかかってしまうと入れ歯が横滑りをおこし、簡単に外れてしまうこともあります。

アタッチメント義歯

アタッチメント義歯というのは、具体的にどのような入れ歯である、というものではありません。残っている歯に維持装置を組み込み、見た目を良くしたり、外れにくくしたりします。その維持装置が時にはボタンであったり、蝶番であったりと、アタッチメントの種類はさまざまです。

これらの装置全般にいえる事は、最初のうちはいいのですが、いったんトラブルが出るとどうしようもない、修理に時間がかかる、対処できないということです。装置には色々な工夫、仕掛けが精巧に作り込まれています。その技術自体は素晴らしいのですが、なにしろ歯の大きさぐらいの非常に小さなものです。それに何十キロというかむ力が毎日毎日加わりますので、耐久性には疑問がもたれます。もし壊れたとしてもすぐ修理が出来ればいいのですが、精巧すぎてすぐには修理が無理なのです。装置を取り替えたり、修理に何日もかかったりと、その間入れ歯をお預かりしなければなりません。当然その間は入れ歯なしで過ごしていただかないとなりません。修理で済めばまだいいのですが、最悪最初から作り直しということもありえます。

このようなアタッチメントは新しいものが出てきては消え、出てきては消えの繰り返しです。患者さんに長く入れ歯を使ってもらうのならば、私たち歯科医師がただ単に新しい装置だからといって患者さんにお勧めするのではなく、本当にいい装置なのか、本当に満足していただける装置なのか、見極めないといけません。

インプラント

インプラントとは、歯を失った部分に歯の役割をしてくれる人工の歯を植え込む治療です。

歯を失ってしまった場合、これまでの歯科治療では、主に取り外しができる入れ歯が一般的でした。しかし異物感が大きかったり、がたついて痛くて食べられなかったりと悩みの原因も多くありました。そのような欠点をなくすことができるのがインプラント治療です。

もう少しわかりやすくいうと、歯がなくなった場所のあごの骨に、金属の柱を埋め込んで(現在ではチタン製のネジが多く使われています)、その柱の上に歯の形をしたかぶせ物をつくって、かみ合わせを回復させる治療です。

インプラントの最大の特徴は、入れ歯のような違和感やがたつき、外れてしまう心配がほとんどなく、本来の自分の歯に近いかみ心地や見た目を取り戻すことができることです。また周囲の歯を削ったり、負担をかけたりする必要がないため、失った歯を取り戻すには最高の治療といえます。

術式ですが、まずあごの骨に直径3~5mm程度の穴をあけます。その穴にインプラントの土台部分の柱を埋め込みます。それが骨とくっついたら柱を立てて、かぶせ物をつけて完了です。骨に穴をあけて痛くないのかと思われるかもしれませんが、麻酔がきいたら普通の歯科治療と同じです。ただし土台はしっかりとしたあごの骨の中に入れないといけないので、場合によっては骨を再生していく治療が必要な場合もあり、手術前にしっかりとした診査、診断をすることが安全に治療をおこなうために欠かせません。

インプラント治療は、歯を1本失った場合はもちろんのこと、すべて失ってしまってもインプラント治療はできます。また入れ歯とインプラントを組み合わせることで、インプラントの本数を少なくして手術の負担を少なくすることも可能です。

インプラント治療の長所は次のような点です。

  • 自分の歯のようにしっかりと固いものもかむことができる、食事が楽しくなる
  • 違和感がない
  • 入れ歯のように取り外す必要がない
  • 見た目が自分の歯のようである
  • 治療に際し、歯をけずる必要がなく、他の歯に負担をかけなくてすむ
  • 発音がよくなる

欠点は以下のようなことがあげられます。

  • 治療前にしっかりと診査・診断をしないと失敗してしまう
  • 全身疾患がある場合や飲んでいる薬によっては治療できない場合がある。
  • 治療期間がやや長くなる
  • 毎日の歯磨き、清掃管理をおこたるとインプラントの周りが腫れて感染してしまう
  • 治療費が非常に高額になる

現在の治療においてインプラントは失った歯にかわる最良の治療であり、あなたにきっと満足していただけることでしょう。

ミニインプラント

ミニインプラントは下あごの総入れ歯あるいはそれに近いような入れ歯に利用されるインプラントです。ミニというぐらいですから、通常のインプラントに比べて細く、直径はたった2ミリほどしかありません。

どのようにミニインプラントを埋め込んでいくかというと、まず少量の麻酔をして、直径2mmほどの細いチタンのネジを歯ぐきの上からそのままねじ込んでいきます。術式はそれだけです。そして入れ歯の裏側に特殊な金具をつけて、ちょうどホックで留める様に、入れ歯の金具とミニインプラントの頭のボタンとが「カチッ」とかみ合い、簡単に入れ歯の安定、取り外しが出来るようになります。今までの入れ歯と全く同じ取り扱い方で大丈夫です。

このようにたった1回でしかも短時間の手術で終わります。麻酔もしますので痛みもほとんどなく、歯ぐきも切ったりもしませんので、親知らずを抜くより簡単な治療ともいえるでしょう。

こうなると先ほどの通常のインプラントよりミニインプラントの方が簡単で良いのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あくまでもこのミニインプラントは下あごの総入れ歯あるいはそれに近いような患者さんが対象のインプラントです。残念ながら上あごと下あごの骨の質の違いから、上あごなどにこのインプラントを使うことはできません。

ですからミニインプラントは、下あごの入れ歯が動いたり、浮いたりして不快感のある方や、硬いものやひっつくものを普通に食べてみたい方には非常にお勧めです。簡単な処置で入れ歯が動かなくなり、落ちたり動くのを気にしないで思いっきり会話をしたり、笑ったりすることが出来るようになります。

ただし入れ歯の調整が難しく、特に歯ぐきの後ろの方が痛くなりやすいので落ち着くまで数回調整が必要でしょう。